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釧路市の海岸で見つかった若い女性の遺体、不明の中国人女性と判明【DNA鑑定で家族と一致】

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8月27日朝、北海道釧路市桂恋いの海岸で打ち上がった、若い女性の遺体は、8月30日、DNA鑑定の結果、7月23日から行方不明となっていた中国福建省の女性、危秋潔さん(26歳)と判明しました。

死因は水死でした。

女性の遺体が発見された場所は、危さんが最後に目撃された釧路駅から7km離れた海岸でした。

周辺は昆布やゴミなどが散乱しており、物が漂着しやすい場所で、地元の漁師によると、遺体も海のどこかから流れ着いたのではないかとのことです。

危さんは、中国の教員採用試験に合格し、小学校での正式採用が決まっていて9月から教員となるはずでした。

中国メディアでは、女性が日本で事故に巻き込まれた可能性が高く、日本旅行に警鐘を促す内容で報じられていましたが、結果は、女性の自殺と判明しました。

以下は、これまでの事件の経緯です。

 

事件の経緯

7月18日 女性が中国から函館に到着。
7月20日

札幌市内のゲストハウスに到着し、25日までの5日間分の宿泊料金の支払いを済ませている。

ゲストオーナーの香港人「旅慣れた感じで明るくて、いなくなる感じでは全くなかった」

7月22日 バスで釧路まで移動(ゲストオーナーが最後に目撃した日)スーツケースを部屋に残していた。 後日このスーツケースから遺書が発見された。
7月23日

正午頃、釧路市内のコンビニエンスストアの防犯カメラに危さんとみられる映像が映っていた。

また午後2時頃、川沿いにある商業施設内の喫茶店で窓際に座り、海を眺めていたところも目撃されている。

これを最後に足取りが途絶える

8月27日 釧路市内の海岸で遺体発見
8月30日 DNA検査の結果、遺体は危さんと判明

 

発見された遺書の内容

ごめんなさい。これは別れの手紙です。
27年間生きてきたけど、もう頑張ることはできません。
この世を去ったら両親はとても悲しみ、私のことを嫌いになるでしょう。
私がいなくなることで悲しまないでください。
自分は星になって皆を守るからね。
皆のことを心から愛しています。

実際はA4サイズの紙に細かい字でびっしりと書かれており、公開されたのは一部でしかありませんが、具体的な内容が書かれていたそうです。

報道によると、警察が手紙から指紋が検出できなかったために、父親に目視での確認を求めたとのこと。

それを受け、危さんの両親が訪日し、手紙の筆跡を確認したところ、手紙の文字が娘の筆跡と似ていると証言しています。

一方で、中国メディアに対し父親は「(手紙が)娘が書いたとは確定できない」とも語っています。

自殺の動機は何だったのか?

女性が自殺に至った動機については、公表された遺書の他に今のところ情報はありません。

家族も思い当たる動機がないと述べており、行方不明になった当初は事故に巻き込まれた可能性が高いとも報じられていました。

中国で今、自殺者が増えている

中国疾患予防センターによると、中国の年間自殺者数は2000年以降、毎年30万人に上っています。

未遂者にいたっては200万人になるといいます。

人口10万人当たりの自殺者数は22.23人

これは日本の14人と比較しても多い数字です。

特に若者の自殺が多く、15歳~24歳の死因の1位が自殺となっています。

若者の自殺者が増えている原因として、就職難のほか、一人っ子政策の影響も上げられています。

名門大学に入り有名企業に就職するよう、親から過剰な期待をかけられ、重圧を感じているということです。(参照:FRIDAYデジタル)

うつ病患者も急増

また、うつ病の患者数も急増しています。

中国の精神疾患患者数は1億人以上で、このうち、うつ病5,500万人に上っています。

うつ病をはじめとする精神疾患が増えている原因として、1日平均10.5時間という厳しい労働環境が影響していると言われています。

女性が影響を受けた渡辺淳の小説「阿寒湖に絶つ」

危さんは札幌出身の直木賞作家、渡辺淳一氏のファンであったということです。

渡辺氏の作品に「阿寒に果つ」という小説があります。

この小説も、阿寒湖で自殺する一人の少女を描いたものでした。

小説の内容は?

札幌で天才少女画家としてとしてもてはやされ、いくつもの浮名を流したあげく阿寒で自殺し、18年の短い一生を終えた実在の人物、加清純子(小説では時任純子)をモデルとした青春小説です。

ヒロインの時任純子は、男たちを翻弄する小悪魔的な少女として描かれています。

自由奔放に生きた純子にあこがれ、危さんは釧路を死地に選んだのでしょうか。